またね。
「またね。」
離れるときの言葉。
お互い絶対に“バイバイ“は言わない。
そういえば、電話でも言わないなぁ。
決めたわけじゃないけど、自然と。
“サヨウナラ“
無意識のうちに避けているのかも。
何年経っても離れなければならない時は
やっぱり寂しさが込み上げる。
駅まで送り、帰りの車の中、大声で歌う。
明るくて、恋だの愛だのとはかけ離れた
歌を唄う。
家に着く頃には喉が痛い。
少し成長したのが、
彼の前で泣かなくなったこと。
笑って
「またね。」が言えるようになったこと。
でも、寂しさを引き摺ることは
止められない。
「今日は泣かなかったね。」
と、ホッとする彼。
「やっぱり寂しいよ。」
「寂しいよな。」
困った顔が目に浮かぶ。
どうしようもないは承知。
でもね、出ちゃうんだ。これが。
いつか、お別れの日が来たとき、
今以上に寂しいのかな?
その時は泣いてもいいのかな?